2015年08月27日

ビードロ電球

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子どもの頃、ダイヤモンドやエメラルドを欲しいと思ったことはないけれど、ビー玉を見るといつも欲しかった。ビードロ。ラムネの瓶。青。緑。透明。光。ビー玉を手にとって子どもながらに思い浮かべるのは、懐かしくて幸せな言葉の響きばかりだった。宝石のようにキラキラとした光とは違う、飴玉のようなとろんとしていて舐めれば甘い味がしそうな光でもって、ビー玉は僕を惹きつけた。

教室のそばに気になる白熱電球がある。おしゃれなお店の軒先に付けられているのだが、もう何ヶ月も切れたままなのだ。昼間は他の仲間たちとどこも変わらないのだけど、夕刻になり仲間たちがLEDとは違う柔らかい光を放ち始めても、彼は相も変わらず眠ったままだ。

でも、実はその姿がすごくいい。周囲の照明の光や暮れ始めの空の光がガラスを通り、その丸みのある輪郭を際立たせる。光を放ちながら膨張して見える仲間たちとは違い、まるでビー玉のようなとろりとした光は、ああこれはビードロなのだと改めて思わせてくれる。

僕もすっかり大人になったからか、まだ子どもだからなのか、それは別の機会に考えるとして、最近は何が贅沢なのか考えることが多くなった。LEDは省エネだし、エネルギー問題や温暖化問題を考えれば素晴らしい発明だ。でも、時々切れてはビー玉のような光で僕を喜ばせる白熱電球も、感受性を刺激してくれるとても贅沢な品だと思う。白熱電球がひとつ切れたところで街は暗くはならない。もうしばらくは、このままの姿でいて欲しい。ひょっとしたら、お店の人もそのつもりで長らくこのままにしていてくれているのかもしれない。

塾長

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2015年08月15日

気持ちで暑熱慣化

TAKUYA(中2)

 僕が勝手に一番暑い時期だと思っているのは七月と八月の終わりだ。その頃が最も日差しが強く照りつける。その時期をピークに気温が緩やかに下がっていくと思っているのだが、今年はエルニーニョ現象がチリの方で起こっているらしく、こちらの気温も依然として高いままだ。ニュースキャスターも、三十五度を超えたら暑い、超えなかったら涼しいというノリだ。

 ただ、最近は気温というものに囚われ過ぎているのではないかと僕は思う。例えば、三十五度でも、土の上に立ち木陰にいて風が吹けば、かなり暑さが和らぐだろうが、三十二度であっても、多湿でコンクリートの上、日差しをもろに浴びるという状況では、四十度にも感じられるだろう。

 気温は絶対的な数値だから、指標にはなるかもしれないが、結局は気持ちの持ちようだと思う。




日頃から大人びた文体と内容が持ち味のTAKUYA君。今回もいちいちもっともで、「今日は猛暑日だ」、「三十四度しか行かなかったら少しましだった」などと数字に振り回されている僕としては、感心せずにはいられない作文でした。一歩引いて、冷静に物事を見ることができるTAKUYA君のスタンスは、今後の彼が生きていく時間の中で大きな武器になることでしょう。そんなことを思いつつ、やはり今日の気温が気になってしまう僕でした。

塾長

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2015年08月11日

キンキン

KAHO(小3)

 「ガリガリ。」
 かき氷機を回す。回すのが終わって、おさらをとって、一回目はカルピスをかけた。
 まずスプーンでおすと、
「ザクザク。」
 といって、食べた時
「シャリシャリ。」 
 といった。

 二回目に回した時は、一回目にやった時より氷が大きかったので、回すのがよりかたくなっていた。
 二回目はブルーハワイにした。ずっと食べていたら、べろが青くなってしまった。全部食べ終わったら、空みたいにもっとべろが青くなっていた。さいしょ見た、とうめいの氷とは、まったくちがう物に見えた。氷はつめたくて口の中が
「キンキン。」
 とした。




七月の最終週は、とにかく暑いので教室でかき氷。この時は八百円程度の手動の氷かき機を使って、各自が自分の分のかき氷を作って食べました。
KAHOさんはその時の様子と感じたことを小学三年生らしく、とても素直に書いてくれました。特にかき氷に関係する様々な音を、場面によって「ガリガリ」、「ザクザク」、「シャリシャリ」と使い分けているところに工夫が見られました。また、シロップで舌が青く染まる経験は多くの方に共感してもらえたのではないでしょうか。音や色を上手に使って、面白い作文になりました。

塾長


posted by 塾長 at 19:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。