2016年07月16日

七夕とアイス

KOHAKU(中1)

 ドアを開けると暑かった。
「もう七夕だぁー!」
 一年に一回しか会えないなんて、すごく悲しい。今年は久々に晴れていて、とても暑かった。織姫と彦星は嬉しいと思う。
 ローソンに入った。少しびっくりした。先生がガリガリ君を買ってくれた。今日二回目のアイスだ。今日は幸せだ。
「ガリガリ君が当たりますように。」
 心の中で願っていた。でも当たらなかった。当たっていたら、三回もアイスが食べられたのに。
 途中、お店の前に短冊がかかげてあった。見てみると、好きな人に会えますようになど、色んな色の紙で書いてあった。天の川では二人が会えているいいな。
 日本の東京が今日も平和でよかった。緑道ではおばさんが逹がおしゃべりしていた。一人で空を眺めているおじさんもいた。こんなゆっくりできるなんて、やっぱり東京は平和だな。



七夕の夜にガリガリ君が当たることを願っている無邪気さが、今の東京の平和を表しているようで、ほっこりします。緑道のおばさんのおしゃべりも、空を見上げるおじさんも、同様に平和を見事に表現していると思います。素直で明るい文章の中に、的確な観察眼を感じました。毎年このような七夕が送れるとよいですね。こんなご時世なので、余計に心に響く作文でした。

塾長

posted by 塾長 at 15:58 | Comment(1) | TrackBack(0) | 作文紹介

2016年07月15日

雨もいい

ANNA.N(小5)

 その日の朝、私は友達と二人で黄色い傘をさしながらトボトボと学校へ続く道を歩いていた。
 雨の日はきらいだ、と友達は言う。学校のろう下ですべるし、ミミズが大量発生するし、すぐぬれるし、外では遊べないし、プールや行事もできないからだそうだ。
「ねえ、今日も運動会えんきかな?」
 友達が私にきいてきた。
「うん、さすがにこの天気ならえんきじゃない?」
 私は答える。
 そう、今年は運動会が雨のせいで何回もえんきになっていた。
「あーあ!雨の日なんて大っきらいだ!」
 そうかな?私は心の中で思った。雨の日だからこそできる事もあるんじゃないかな?
 友達と教室に入っていってしばらくすると、チャイムが鳴って、先生が入ってきた。
「先生、今日もえんきですか?」
 クラスメイトが先生にきく。
「はい……。」
 先生は少し悲しそうに答えた。みんなは、
「えーー!」
 と口々に文句を言っている。
「またか……。」
 みんなはそう思っていたが、私はちがった。
「いいじゃん、作戦会議できるし、練習もできるし。」
 そう思いっていた。
 私は晴れより雨の方が好きだ。雨の中、水たまりでピシャピシャするのは楽しいし、雨のひんやりとした冷たさはとても気持ちがいい。それに私たちが飲んでいる水も元は雨だし、植物や動物も水が無いと生きていけない。
 十分休みになって、ベランダへ出ると、ナメクジが水たまりでおぼれていた。私が助けてあげると、ナメクジは「ありがとう。」と言うようにさくをのぼっていった。
 私は、少し心が温まるのを感じた。




周りが「雨はきらい!」と言っている時に、一人少し違う視点でものごとを見ている様子がよく伝わってきます。雨の大切さに気づいているのも素晴らしいですが、何よりも、周りに流されずに自分で物事を捉え、考えている姿勢が素敵だなと思いました。皆が嫌がるものの中にも良さを見つけて、雨でさえ楽しんでしまう主人公は魅力的です。ナメクジを触れることに少々驚きつつ、風の谷のナウシカを思い出しました。


posted by 塾長 at 15:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介

2016年07月14日

七夕の「かもしれない」

YURIKA(中1)

 階段を下りると、工事中の店があったり、電気がついたり消えたりしている建物もあった。今日は七夕だというのに今のところ特に変わった様子もない。
 イヤホンを耳につけて一人で歩いている男の人、ベビーカーを押して歩いている女の人、自転車に乗ろうとチャレンジしている男の子……。ぱっと見では変化は分からないけれど、もしかしたらその人にとって特別なことがあったのかもしれないし、これからあるのかもしれない。
 男の人が聞いている曲は、何か特別な曲かもしれないし、ベビーカーに乗っている子どもは今日が誕生日かもしれない。もしかしたら男の子も自転車に今日乗れるようになるかもしれない。
 今のことはあくまでも想像だけれど、百パーセントまちがっているとも言い切れない。だから、こうして普通に街を歩いているだけで幸せなことだと思う。




 ベビーカーに座る子どもは今日が誕生日かもしれない!と思った途端に、文中の風景に色がついたように感じました。そしてなんだか嬉しい気分になりました。YURIKAさんが、平凡な風景の中から特別なものを見つけようとしてくれたこと、それらを見つけて文章にしてくれたことが嬉しかったからです。
 YURIKAさんには、他の人達と同じ景色を見ながら、他の人に見えないものを見る力があるようです。その想像力は退屈な時間を特別なものに変え、特別ではない日々を幸せな日々に変えてくれるかもしれませんね。


posted by 塾長 at 13:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介

2016年07月13日

A DREAM

TAKUYA(中3)

 工事うるさい。外暑い。歩くのだるい。人多くてうざい。いらいらする、いらいらする。
 ただでさえこんなにストレスフルな社会なのに、学校、塾……。なんて人生だ、とつくづく思う。もう今にもパンクしそうだ。
 なんたって運命はいたずら者だ。学校の席はうるさい奴と、担任は嫌味、嫌なことを話し始めたら千一夜あっても足りない。
 浮世の嫌なことを忘れるために走りに行ったのに、その帰りにはもう嫌なことを考えている。そんな時、ふと幼稚園の前に飾られてある短冊に目が止まった。
「ウルトラマンになれますように。」
「動物と話せますように。」
 荒唐無稽とは思ったが、心が少しだけ和んだ。誰もネガティブなことは書いていない。その素直さがきっとそうさせるのだろう。
 私も願いを考えることにした。
 きっと嫌なことばかり起こる人生じゃない。
 神様、願わくば、私の夢を叶えてください。



七夕の夜に散歩をして、感じたことを書いてもらいました。受験を控えた中三らしくストレスを抱えた現状を吐露する一方で、幼稚園児が書いた短冊を見て自分も何か願い事をと思うあたり、筆者自身が持つ素直な一面も表現されていてほっとします。また、上手いなぁと感心したのは、ストレス解消のために走りに行った帰りにはもう嫌なことを考えているという一文。自分の気持ちの動きを良く捉えていますね。僕もそんなことが良くあります。共感しつつ感心しました。


posted by 塾長 at 13:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。