2016年10月22日

自転車の気持ち

JION.A(小6)

 ぼくは、こいで進むタイヤのものです。
 ぼくは、買ってもらったその人に、ぼくが壊れるまで使ってもらうんだ。それがぼくは一番うれしい事だ。
 ぼくは、色々なところにとめられるんだ。駐輪場や道など、にとめられるんだ。
 ぼくは、放置されたり、ひとりぼっちになったりするのが一番やなんだ。
 ぼくは、人に迷惑はかけたくない。だけど、ぼくは動けないから、人がとめかたを見直すべきであると思う。
 そうしたら、より良いくらしが増えると思うし、人も困らないし、町もきれいになるからいいと思う。




 今回は町を歩きながら、駐輪場や道端に停めてある自転車を見て、自転車という言葉を使わずに「自転車の気持ち」を書くという課題でした。

「ぼくは、買ってもらったその人に、ぼくが壊れるまで使ってもらうんだ。」の一文にぐっときました。この一文を読んで、自分は親としてものを大切にすることをきちんと教えてきただろうかと反省したほどです。その後の「ぼくは、放置されたり、ひとりぼっちになったりするのが一番やなんだ。」というまるで自転車ではなく人間の子ども達の心の叫びのような文も胸に刺さりました。
 今回は自転車の描写をしつつ、放置自転車の社会問題に踏み込む生徒もいるかなぁくらいに構えていたところ、純粋な文章を見せられて、もっと身近にある大切なことがらに気づかされました。子ども達はいつも当たり前で正しいことを教えてくれます。素敵な作文でした。

塾長

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2016年10月20日

乏しい電灯の下で

HANA(中1)

 無造作に放置された自転車。虫が群がり乏しく灯る電灯。車が人をかき分け走る独特な走行音。
 様々な人が行き交う路地にそれはそびえ立つように並べられている。それを照らすのは電灯と不気味に光る店の看板だけだった。

 彼らは
「昔は沢山の人達が飲み物を求めて、私たちを頼ったものだ。」
 と笑った。彼らの心はその質感のように冷たく、そして悲しい。彼らは言う。
「あの、チャリンっていうのは人が喜んだ証なんだ。」
 彼らは人に喜ばれるために必死に主張したが、人の心というものは金属より冷たいのだ。人々は彼らを見ようともせず、通り過ぎるだけだった。彼らの仕事は飲み物を売るということではなく見守るということかもしれない。

 今日も電灯に照らされる彼らの横を仕事帰りのサラリーマン、集団で騒ぐ男女、ラブラブなカップル、様々な人々が通りすぎる。彼らには目もくれずに。それでも彼らは優しく微笑んだ。



 今回は、教室近くのある場所に複数台で並んで立っている自動販売機を描写するというのが課題でした。ただし自動販売機という言葉は文章中で使ってはいけないという条件をつけました。
 路地に配置された自動販売機の役割が実は飲み物を売るだけでなく「見守ること」と書いているあたりに、筆者の観察眼の鋭さを感じます。全体を通して、文章に強さのようなものも感じられました。ちょっとした描写の練習の文章にも手を抜かず、何かを伝えようとする姿勢が素晴らしいですね。

塾長

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2016年10月14日

みんながのめりこんでいる機械

N.ANNA(小5)

 駅前はそれを持つ人であふれ返っていた。「それ」とは、五〜六年前位にアメリカで発売され、それ以来日本人、外国人の間のほとんどの人が持つようになった機械だ。今では、ちびっこからおじいさんまで老若男女が持っている。ほとんどの人はその機械で電話、メール、ゲーム、音楽を聞く、などの事をしている。大人はひまさえあればその機械をいじり、だんだん猫背になっていく。私はその機械を持っていないが、友達のうち、五〜六割はその機械を持っている。

 その機械は、手に入るほどの大きさで、金属、ガラス、プラスチックなどでできている。ケースをつけない人もいるが、だいたいの人はケースをつけていて、ケース専門店もある。色は様々。形はうすい長方形で、文庫本より少し小さいサイズだ。

 その機械がないと、世の中は不便になるかもしれないが、逆にその機械があることで、「依存症」という病気になってしまう人もいる。ただの症状ではない。病気だ。その病気になってしまうと、専門の病院まで行かなくてはいけない。また、その機械を見ていることで、視力が低下することもある。その機械は、こわい面も持っているのだ。
 そんな機械を、ほとんどの人が持っている。そう考えるだけでもゾクゾクする。その機械を使う時は、ルールを守って使うことが大切だ。




 今回は街に出て、「スマホという言葉を使わずに、スマートフォンを外で使っている人や、スマートフォンそのものを描写する」という課題でした。
 「大人はひまさえあればその機械をいじり、だんだん猫背になっていく。」の一文を読んだ時、ANNAさんの観察眼の鋭さと的確な表現に参りました。今回の描写の練習においては、各生徒がスマートフォンに対して日頃から持っている知識や印象が大きく影響してくるのですが、この一文はそこに実際に見てきた映像の情報が加えられて、より説得力が増しています。「ひまさえあれば〜」というのはANNAさんがこれまで持っていた印象から書かれたものですが、そこに「猫背になっていく」という目の前で起こっている出来事を加えて書いてくれているのです。しかもこれを読んだ大人は、ユーモラスな映像を思い浮かべながらも、どこかチクリとくるのです。とても印象的な一文でした。その他の部分もスマートフォンの描写をきちんとした上で、最後には自分の意見を述べるなど、かなり内容の濃い作文でした。

塾長

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2016年10月13日

スマホを使っている人をチラ見する。

AYURI(小5)

 今日は、散歩がてらスマホを使っている人をチラ見するということだった。
 階段を降りた時、すでに左右に一人ずつスマホをいじっている人がいた。いつもはそんなこと気にしていないから、今日はいつもよりたくさんの人がスマホをいじっているっていう感じがした。

 駅前に行くと、大勢の人が「歩きスマホ」をしていた。でもそれよりも、はしの方で立ちながらスマホをいじっている人の方が多かった。

 スマホケースをつけている人も多かった。一人、モコモコしているケースをつけている人もいた。夏とか、あつくないのかな?と思った。モコモコのってあんまりないから、めずらしいと思った。バッグみたいだった。(モコモコが)

 ふみきりでも使っている人がいた。しかもサイレンみたいのがなっていたのに、歩きスマホをしている人がいた。スマホって便利だけど、あぶないと思った。




 今回は街に出て、スマートフォンやそれを使っている人を描写するという課題でした。
 まず、スマートフォンを意識することでいつもよりその存在が目に付くということに触れているのは面白いですね。何かに注目したり意識したりすることで脳に入ってくる情報も変わってくるという、自分の感じ方の変化について気づいてくれたようです。
 また、スマホを使う側から観察する側に回ることで、スマートフォンの使用について、とても冷静かつ客観的に評価できていることにも感心しました。
 今回の作文では、自分の考えていること、感じていることについて、とても客観的に書き出すことができたと思います。

塾長

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2016年10月08日

機械の名

REI(小5)

 それはBOOKOFFのうらのうす暗い路地に、八台ほどまとまって立っていた。
 その機械は、缶、ペットボトル等のコーヒーからジュース、時にはお菓子なんかも売っている。
 その機械の色と形は、直方体で、私より背が高く、色は青色と白色だった。
 その機械でものを買う人は、どれを買おうかと迷ったり、あらかじめ決めておいて買ったりと、さまざまだ。

 買った後、その飲み物を飲む人は、
「あぁ〜。」
 とか、
「ふぅ〜。」
 とかと言っている。周りにはゴミなんかがよく落ちていて、少し汚いが、買って飲んでいる人はなんか幸せそうだ。
 さあ、人を幸せにできるそんな機械とはなんでしょう。




 今回は、教室近くのある場所に複数台で並んで立っている自動販売機を描写するというのが課題でした。ただし自動販売機という言葉は文章中で使ってはいけないという条件をつけました。
 REIさんは自動販売機を描写するにあたり、その形や大きさはもちろんのこと、そこに来る人々の様子に目をつけたのがとても良かったと思います。自動販売機がどういうものかと考え、単に『何かを人に代わって自動で販売するもの』ではなく、『人を幸せにできる機械』として描写したところに工夫やオリジナリティを感じられました。

塾長



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2016年10月01日

散歩の楽しさ

KOJIN(小5)

 ドアを開けるとまだ六時ごろなのにとても暗かった。階段に行くとレオが
「ステーキのにおいがする」
 と言ってきた。けれどぼくは鼻がつまっていたので
「何もにおわないよ。」
 と言った。

 道に出ると車がたくさん走っていてうるさかった。そんな事を思っているうちに公園についた。
 公園ではすべり台で変な登り方をしていたら自由時間が過ぎた。
 その後アイスを買った。このアイスはすごく冷たく感じた。なぜなら今日は季節に合わないほどむし暑かったからだ。今日のアイスはガリガリ君レモンスカッシュ味だったがレモネードの味がした。ぼくは、アイスを最近食べていなかったので食べることができてよかったと思った。

 ぼくは何週間も散歩ができていなかったので久しぶりの散歩にテンションが上がっていたけれど、途中で雨なども降ったのは残念だった。次の散歩はいつだろうなと思いながらドアを開けた。



まずは『まだ六時ごろなのにとても暗かった』と書くことで季節感を出しています。日が暮れるのがどんどん早くなってくるこの時期の夕方の雰囲気が伝わりますね。また『ドアを開けると〜』で始まり、『〜ドアを開けた』で終わるというところにKOJIN君のこだわりと工夫を感じました。まだ書き始めて長くないKOJIN君ですが、よく考えて書いてくれているのだなぁと嬉しくなります。

塾長


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プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。