2018年06月28日

くやしいな〜でも気にしない

SUMIRE(小5)

 五月二日から五月五日まで私と親友三人とその家族で九十九里へキャンプに行った。
 私は五月三日にちょっとくやしい思い出ができた。それは、つりの話だ。
 私の弟の趣味はつり。弟の将来の夢は、マグロをつる人だ。そんな弟がキャンプで
「ぜったいつりやるからね。」
 と言ったので、行くことになった。私は弟と違ってつりがあまり好きじゃないけど、やらないよりはやった方がまだいいのでやった。
 やったら、弟がなんとイナダをつった。イナダとは、ブリの子供だ。それで弟は飛び回っている。私はそれが頭にきて、くちびるをかみしめた。そして私もとってやろうと思ってやったら、タイがつれた。
「なんだ〜。」
 このつり場は、タイがほとんどで、イナダはあまりつれない。私がつったタイは引きが良かったのに…。
 イナダはレア物だ。イナダをつった時、係のおじさんが
「レア物がつれたね。」
 とか言っていた。私の親友までが興奮していた。だから私もがんばる。と、力を入れて池の中にさおを入れたら、魚は来なかった。
 それが何十分かがたち、さおを上げると、小さなエビがふにゃふにゃになっている。私の肩がストッと落ちた。気合がぬけた。でも気を取り直してまたやることにした。
 そしてエビを変えた。三分たった。その間ずっとボケーとしていたら、いきなりグイッと引かれてさおがつり場の中に入っていきそうだった。だから、さっきの気合を取りもどせた。そして魚のかげが見えた。つれたのはタイ。タイの所に、もみたいな物が付いていた。
「ちょっと重かったのは、ものせいか〜、ついてないな〜。」
 そう私がつぶやいた時、私と反対側の人がイナダをつった。そのうちに勢いよく何人かがイナダをつり、もうダメだ〜と思った。
 つりが終わり、つかれすぎたのでキャンピングカーに親友一人と一緒にもどった。弟と他の親友二人はまだつりをしている。でも私と親友一人はキャンピングカーでずっと「ミニオンズ月どろぼう」と言うDVDを見ていた。そのDVDはミニオンの一番最初に出たやつだった。
 しばらくして、全員つりが終わったらしく帰って来て、他の親友が
「すごく沢山つれたよ。」
 と言った。私は二匹しかつれなかったけど、別に私はつりが好きじゃないからいいか。私は、友達と一緒にDVDの続きを見た。
 その日の夜、タイ飯とイナダは最高だった。




 気持ちの表し方について意識しながら書いてもらった作文です。

「私はそれが頭にきて、くちびるをかみしめた。」や「私の肩がストッと落ちた。」など、その時の仕草を描くことで気持ちの表現を上手にしてくれています。また何十分も思うように釣れない時に書かれた「さおを上げると、小さなエビがふにゃふにゃになっている。」と言う表現は秀逸でした。気合い十分で挑んだものの、結果が出ずに気持ちが萎えていく中で、エサのエビを見るとふにゃふにゃになっていると言う、なんとも気持ちに合った情景描写で、これを狙って書いているとしたら末恐ろしい小学5年生ですね。
 全体的には、弟に対する対抗心を持ちながらも、撤退を決めてから悔しさは出さないと言う微妙なお姉さんの心境が隠さず書かれているのにも好感を持ちました。最後の「その日の夜、タイ飯とイナダは最高だった。」の一文は、本当に気にしていないようにも、負け惜しみのようにも、色々と受け取れる終わり方で興味深いです。
 少5の女の子の複雑な気持ちが感じられる作文で印象に残る作品でした。

塾長


posted by 塾長 at 16:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介

2018年06月22日

五時間かけた甲斐あり!!

AOI(小6)

 「はぁ、まだかな〜」
 妹がため息をつきながら言う。それもそうだ。なぜなら朝七時に家を出て、もう5時間もたっているからだ。妹とそんなことを話している。今日は、お母さんの希望で静岡にあるハート型のがけを見に行く。
「一キロ先目的地周辺です。」
 このナビの音が流れた瞬間、妹が、あとちょっとコールを始めた。
「あと、ちょっと、あとちょっと。」
 ノリに乗って、あとちょっとコールを始めた妹とふざけて踊りも入れて遊んでいると、お母さんが、
「着いたよ。」
 と言った。車も、もう駐車場に止まっていたので早速外に出た。

 少し歩くと案内板があった。すぐ右の場所に階段があった。妹が真っ先に階段へ行った。すると妹が
「ここ立ち入り禁止になってるよ。」
 そんなバカな。そう思いながら行ってみると、立ち入り禁止と書いてある札が階段の前に置いてあった。それに気付いたお母さんがスマホで調べてみると、この地域だけに発行されている新聞があり、それには「崩落事故で閉鎖」と言う見出しがあった。それを見たお母さんと妹は口をそろえて、
「五時間もかけて来たのに〜。」
 と言った。僕は、来る気は無かったけれど、五時間もかけて来たんだから、一瞬でも神秘的なものを見られたらいいなと思っていたので、事故で見られないなんて不運すぎるなと思った。
 お母さんと妹が肩を落としていると、お父さんが、
「ちょっと楽しそうなところがあるみたいだよ。」
 となぜか自慢げに言った。
 
 虫しかいなかった。妹は少し怖がりながら歩いていた。道なりに十五分くらい歩くと、でかい砂山とすき通った海があった。
 砂山のふもとには「滑れます。」と書いてあり、看板があったのでソリを持ってくることにした。砂山はとても高くて頂上に登るまで五分くらいかかった。おまけに砂山は太陽に当たっていて、とても熱かった。ソリも持っていたので登りも熱さも倍増した。
 頂上についた。高すぎて足がふるえた。
 いざ滑ろうとすると、お父さんが砂山のふもとの方から
「ちゃんとひも持つんだぞ〜。」
 僕は返事を返すと砂山をすぐに滑りおり始めた。一回目はどんな感じか分からなかったので、お父さんの言う通りひもを持って滑ることにした。気持ちも落ち着いたのでレッツゴー。すごく怖かったのか、だんだん前のめりになっていて、砂山の中間地点で転んでしまった。二回目は、一回目のこともふまえ、ひもを持ちながら後ろに反って無心で滑ることにした。もう一回気持ちを落ち着かせてレッツゴー。勢いがつき始めたぐらいの時、風の音が聞こえた。久しぶりに聞いたのでとても気持ちよかった。最後の方は怖さは無くなって楽しくなっていた。十回程やると、お母さんが、
「そろそろ帰ろうっか。」
 と言って来た。僕は、
「あと一回お願い。」
 と言ってラスト一回を滑った。最後のは無心で滑った。滑り終わると、妹と一緒に
「楽しかった。」
 と言い合いながら車に向かった。少し驚いたこともあったけど、楽しい一日だった。

 車に戻ると妹はすぐにいすを倒して寝る体勢に入っていた。僕も、疲れたので、音楽を流しながら寝ることにした。その後は寝てしまい。ものすごく高い山に登って滑り下りたという夢を見た。僕と妹はいつまでもずっと滑り続けていた。




家族での日帰り旅行の様子を、気持ちの表現を意識しながら書いてくれました。
「肩を落とす」、「足がふるえる」など感情に合わせた仕草の描写を上手に使ったり、「はぁ、まだかな〜」、「ちゃんとひも持つんだぞ〜。」のように、妹さんの待ちきれない気持ちやお父さんが子ども達の安全を思う気持ちをセリフを使って表現したり、工夫が多く見られて好感が持てます。個人的には砂山滑りの二回目の部分で『勢いがつき始めたぐらいの時、風の音が聞こえた。』の部分が格好良いなぁと思います。一度目には気づけなかったことに、少し余裕のできた二度目には気づけているという、主人公の小さな気持ちの変化が書かれているのがすごく良いです。またこの日の楽しさが強く伝わってくる『僕と妹はいつまでもずっと滑り続けていた。』という夢の内容で終わったのも素敵でした。素晴らしい!

塾長


posted by 塾長 at 13:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。