2018年09月28日

秋のおとずれ

KOHAKU(中3)

 「ビュッ。」
 ドアを開けると、ムアッとした夏の暑さと共に、秋らしい涼しい風も少し吹いてきた。
 しばらく歩くと熊野神社についた。夏の初めにRIOと遊んだシーソーが寂しそうに置いてあった。草むら辺りからコオロギが
「リリリリリン。」
 と、静かに鳴いていた。セミと違って、美しい音色で秋のおとずれを教えていた。

 神社を出て道路に出ると、カーディガンを着た女の人が歩いていた。夏とは違って街を歩く人みんな、少しずつ厚着になっていた。私はまだ夏みたいな洋服。タンクトップに短パン。風が秋っぽくなってきただけで、体はそれで調度いい。
 マックでおやつを買ってもらった。いつも暑かったらアイスを買うが、めずらしくシャカチキを買ってもらった。温かくて、久しぶりに食べたからすごくおいしく感じた。先生が選んだポテトも、あったかいのが合っていた。  
 やっぱり秋になってきているみたいだ。私は少しばかりそう思った。九月に入ったらもっとコオロギの綺麗な音色も聞こえてきて、街行く人々の服装も長袖になってくるのかな。





8月の終わりに、秋の気配を探しに散歩に出た時の作文です。

「夏の初めにRIOと遊んだシーソーが寂しそうに置いてあった。」は季節の描写とは直接関係はありませんが、いなくなった友達を思い寂しく感じる気持ちと、日本人が感じる秋の少し寂しい雰囲気が上手く繋がって、季節感を浮き上がらせています。その雰囲気はそのままコオロギが鳴いている描写まで続き、前半部分は秋の気配を探すと言う課題にぴったりの、少し静けさがあり、しっとりとした美しい文章となりました。
 後半は対照的に少し元気な感じを出して、周囲に秋っぽさは見つけつつも、自分の中ではまだまだ夏も続いているよ、と言う正直な気持ちが感じられます。この辺りの描写は、季節感とともに主人公の明るく元気なキャラクターも読み取れて、文章の中にKOHAKUさんらしさを感じることができました。

 ちょうど季節が動き始める頃の、夏と秋が同居している街の様子を、上手に書き分けてくれました。

塾長



posted by 塾長 at 11:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介

2018年09月22日

2018年度の生徒募集について

2018年の体験授業につきましては、10月6日スタート分で締め切りとさせていただきます。今秋の体験授業参加をご検討いただいている場合は、資料請求をしていただいた上で、10月2日(火)までにメールにてお申し込みください。尚、次回体験授業の受付は2019年2月以降を予定しております。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

塾長



posted by 塾長 at 16:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年09月21日

川遊び

KOKORO(小6)

 「あっカエル。」
 そのカエルは、茶色で六センチメートルくらいだ。ピョンッ。カエルはすぐに青々としたしげみの中にかくれてしまった。しげみはひざくらいまであり、蚊もたくさんいた。
「やめよ。」
 と言って私はしげみに入るのをやめた。その時に二センチメートルくらいのカエルが二匹出てきた。また、茶色だ。私は、ゆっくり近づいて行った。カエルの後ろまで行くと、親指と中指でつまんだ。そして頭を人差し指で抑えて飛びはねないようにしながら取った。もう一匹も同じように取った。捕まえた二匹ともかごの中に入れた。
 妹たちも魚を捕まえたらしく、私の方まで来て、見せてくれた。
「ふうん、小さいね。」
 と言うと、
「でも、すごいでしょ。」
 と言ってきた。妹が取れるのも当たり前。あみを持っていたから。適当にやっていても捕まえられる。
「あ〜そうですね。すごいですね。」
 私はうんざりしたので適当に返すと、
「ここは、何捕まえたのよ。」
 とムッとした口調で言われた。
「カエルだけ。もっと捕まえたいんだからあっち行ってて。」
 と言っても、なかなか動く様子がない。一回上がることにした。その時。ピョンピョン。見てみると、カエルがたくさんいた。湿っているところが好きなカエルたちは、木の下にたくさんいる。五、六匹捕まえた。その中にあの六センチメートルのカエルもいた。
 「ここ〜ちょっと来て。」
 と私を呼ぶ父の声がした。
「は〜い。なあに。」
 と言うと、
「上流の方行くって。」
 母が言った。でも声が聞こえてくる方は、私がいるところより下流だ。
「早く〜。」
 弟の声だ。
「はいよ。今行く。」
 川に入り、声のする方へ行った。もう一つ分かれ道があり、私はゴツゴツした岩がたくさんある方へ行こうとしていた。
「え〜そんなとこ行くの。けがしそう。」
 予想通りけがをした。それは私だ。くつが流されそうになり、取ろうととしたら突き指。川の水で冷やしていられたのであまり痛くなかったけれど。

 「そろそろ帰るよ。」
 母がのんびりした口調で言ってきた。
「カエル逃してなかった。」
 と言って私は虫かごを開けた。カエルを逃がすと妹がそのカエルを捕まえて、水に落とした。私は大きいやつを地面に置いた。ピョンピョンとカエルは元気にとびはねて行った。




 夏休みの出来とごとについて書いてもらいました。

 家族で過ごす休日の作文というと、ややもするとただ楽しいばかりの作文になりがちです。でも、この作文の中で印象的なのは、姉妹のちょっとしたライバル心や、少六の女の子だからこその少しピリピリした空気感でした。姉妹二人の会話はどこの兄弟や姉妹にもありそうなもので、二人の関係性が上手に描かれていてリアルです。その一方でカエルを見つけた場所やその捕まえ方など、実際に経験したからこそかける情報が多く、自然に対する生き生きとした描写が多く見られました。逃したカエルが最後にピョンピョンと元気に去って行く描写からは、自然に対する筆者の愛情も感じられます。
 ところで本人に聞くと、姉妹の関係性にしても自然に対する考え方にしても、そこまで狙って書いてはいるわけではないとのこと。でも無意識だとしても、これらを入れられたことにはセンスの良さを感じました。
 KOKOROさんは書き始めて5ヶ月ほど。まだあまり多くを求めるのは酷な時期ですが、この作文は、今のKOKOROさんらしさが滲み出ていて、素敵な一編になりました。

塾長
posted by 塾長 at 16:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。