2016年01月07日

ミルクティーで考える

HARUNO(中二)

 十二月二十五日、クリスマス真っ只中の今、わたしはカフェの二階で作文を書いている。華やかな街のイルミネーションと対照的に、店内は静かに過ごしている一人の客が多い。クリスマスだから、浮かれているカップルが席を占領しているのかと思ったが、そんなことはなかった。四人分の席が、簡単に見つかった。びっくりだ。

 店内をさらに見渡してみると、ひたすらパソコンをカタカタと打ち込んでいる人やスマホとにらめっこしている人、美味しそうなパンを無表情で食べている人……。実に色んな人がいた。これまでの私のクリスマスの夜のイメージは、みんな早く自分の家に帰り、友達や家族とたくさんのご馳走を囲んでワイワイとパーティするといったような楽しく賑やかなものだった。でも、この店内は違う。私にとって、謎の多過ぎる空間だ。本当に。

 ミルクティーを半分飲み終えた。ここで、もう半分しかない、と悲しむか、あと半分もある、と嬉しく思うかでポジティブなのかネガティブなのか大体分かるという話を思い出した。私は、もう半分しかない……と考えるタイプだ。でも、これでネガティブだ、と言われたら私は全力で否定したい。そんなことない、と。

 ミルクティーの三分の二を飲み終えた。周りを見渡すのは三回目。クリスマスなのに、上司とコーヒーを飲みながら、頭をペコペコ下げている人。可哀想だな、早く帰らせてあげてよ、心の中で思った。先生の隣に座って勉強している女の子。きょうぐらい家でゆっくりすれば良いのに。大変だな、受験生なのかな。色んなことが頭の中で連想される。そんな感じで、店内には私よりも“大変そうな人”が沢山いた。こんな、幸せなクリスマスを送れていることも神様からのクリスマスプレゼントだ。心がポカポカ温かい。みんながみんな、自分のような賑やかで楽しいクリスマスを送っているわけじゃないんだ、と思い、今日に感謝した。これから先、どんなクリスマスを過ごすか分からないけど、この日ぐらい神様に感謝しようと思った。





 クリスマス当日のように極端に生徒数が少ない場合、ごく稀に喫茶店で作文を書いてみることがあります。いつもとちがう場所で書く作文は、脳にとても心地よい刺激を与えてくれて、良いものが書ける場合が多いのです。
ここに紹介したHARUNOさんの作文もリラックスした気分の中、ミルクティを飲み進むに連れて、周囲の人達に対する理解が深まり、気持ちが変化していく過程が良く書かれていて、いつもと一味違うエッセイとなりました。初めは、自分の予想と異なる店内に驚くばかりでしたが、しだいに同じ空間に居ても様々な事情を抱える人がいることに気づき始め、後半では他人に対する優しい気持ちが芽生え、自分が幸せであることを実感していきます。周囲を眺め、観察し、他と自分を比べることで自分を客観的に見ることができました。
 ちなみに僕も、もう半分しかないと考えるタイプです。もう半分しかないからこそ、大切に味わおうと思うので、これはこれで良いのかなぁ。人生や時間に対する場合も同じですね。人生の半分以上を使ってしまったと思われる僕にとっては、心にしみる挿話でした。

塾長

posted by 塾長 at 14:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
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プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。