2018年01月24日

二〇十七年最大の後悔

ANNA.N(小6)

 テレビで毎年恒例の紅白歌合戦が始まった頃、私は祖父母の家でぼんやりとテレビを眺めていた。お父さんは先に寝てしまい、何だかテレビを見る気力も失せていた時だった。弟がやって来て、一緒に寝ようとさそってきた。弟は一人で寝る事が出来ないし、今日はお母さんもいなかった。紅白もしばらく見たいアーティストが出てきそうになかったので、弟が寝るまで、一緒に寝てあげる事にした。

 翌朝の六時頃、私はケータイの着信音でふと目が覚めた。ケータイには友達からの新年のあいさつのメッセージがあったが、時計を見て、私は寝てしまった事を悟った。その時私はすごいショックを受けた。まだ紅白も見たかったのに、おやすみなさいを祖母にも言わず、寝てしまったのだ。しかし、どんなに後悔しても時は戻ってこない。私は腹をくくって、リビングへ向かった。
 リビングと、そのとなりのキッチンでは、祖母が朝からおせちを作っていた。おいしそうな音が、辺りに響いている。
「おはようございます。」
 とあいさつすると、私もおせち作りを手伝うよう言われた。大体は盛り付けだったのだが、パズルみたいで楽しかった。

 午後から、お母さんも加わり、もう片方の祖父母の家へ行った。従兄弟もやってきて、和気あいあいとしたムードになったが、そこで持ちきりだったのは昨日の紅白の話だった。私は会話についてゆけず、何だか再び後悔した。人はこんなにもテレビが欠かせないのかと思った。




「わたしの年明け」について書くという課題でした。

「紅白もしばらく見たいアーティストが出てきそうになかったので」の一文に最近の紅白歌合戦に対する一般的な視聴の仕方が書かれていて、うまいなぁと思いました。同じような感覚で紅白歌合戦をつけているご家庭も多いと思います。大晦日のテレビの前の雰囲気がよく伝わります。また家族に対する描写からは、家庭での家族とANNAさんの関係性が見えてきて、作品に血が通い温かみがでました。(家庭での事を書きながら、自分のこと以外はあまり書けないお子さんも多いです。)構成としては、一旦は立ち直ったはずの『見損ねた紅白』の件が、最後にオチとして出てくるのが上手でした。家庭の雰囲気を書きつつ、後半への伏線になっていたところは見事でした。

塾長

posted by 塾長 at 15:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
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プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。