IBUKI(中3)
袋を開けると白い冷気が出てきた。袋から取り出そうとすると袋にくっ付いて素早く取り出すことができなかった。棒を持ちながら歩いていると、手に冷たい空気が落ちてきてひんやりした。それは妙に冷たく口に入れると頭が痛くなりそうだった。
「ポトッ。」
それの表面についた氷が溶けて地面に落ちた。それからまた、それの表面は少しずつ凍り始めた。私はサッとその凍った部分を触った。だがその表面はあまり冷たくなく、触ったところだけ凍った部分が溶けているだけだった。
数分が経った頃、それは少しずつ溶けてきて、指に溶けた水分がつきそうだった。私は急いでそれを食べようと思い、角から食べ始めた。それを食べていくうちにあまり冷たさを感じなくなった。いつの間にかそれは全て無くなっていて、ただの棒になっていた。
当塾では作文のネタ作りのために散歩をしては、道中、冷たいものや熱いものを食べてみることがあります。この作文は少し前の真冬に食べたガリガリ君を書いたものです。
IBUKI君は、あえてガリガリ君の名前もアイスキャンディーだということも伏せて書いてくれました。
袋を開けると漂う白い冷気や、アイス自体が袋にくっ付いて取りにくいなど、季節感と合わせたガリガリ君の描写がよく書けています。個人的には「棒を持ちながら歩いていると、手に冷たい空気が落ちてきてひんやりした」の部分がとても好きです。視覚だけでなく、指の皮膚の感覚を使った表現は、とても具体的で、読む人の想像力をかきたてるでしょう。
日頃から、ものや場所の名前に頼らず表現することを求めている僕としては、この作文はちょっと挑戦的であり、実験的でもあり、読んでいて楽しいものでした。
ただ一つ申しておきますが、僕は何も真冬に冷たいものばかり食べさせているわけではなく(笑)、この時は、肉まんとアイスキャンディーで希望を聞いたところ、生徒の大半がなんとアイスキャンディーを選んだのです。真冬でもアイスキャンディーを楽しめる子ども達の胃袋の健康さが、ちょっぴり頼もしくも、羨ましく思ったのを覚えています。
塾長
2018年03月31日
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