2018年06月22日

五時間かけた甲斐あり!!

AOI(小6)

 「はぁ、まだかな〜」
 妹がため息をつきながら言う。それもそうだ。なぜなら朝七時に家を出て、もう5時間もたっているからだ。妹とそんなことを話している。今日は、お母さんの希望で静岡にあるハート型のがけを見に行く。
「一キロ先目的地周辺です。」
 このナビの音が流れた瞬間、妹が、あとちょっとコールを始めた。
「あと、ちょっと、あとちょっと。」
 ノリに乗って、あとちょっとコールを始めた妹とふざけて踊りも入れて遊んでいると、お母さんが、
「着いたよ。」
 と言った。車も、もう駐車場に止まっていたので早速外に出た。

 少し歩くと案内板があった。すぐ右の場所に階段があった。妹が真っ先に階段へ行った。すると妹が
「ここ立ち入り禁止になってるよ。」
 そんなバカな。そう思いながら行ってみると、立ち入り禁止と書いてある札が階段の前に置いてあった。それに気付いたお母さんがスマホで調べてみると、この地域だけに発行されている新聞があり、それには「崩落事故で閉鎖」と言う見出しがあった。それを見たお母さんと妹は口をそろえて、
「五時間もかけて来たのに〜。」
 と言った。僕は、来る気は無かったけれど、五時間もかけて来たんだから、一瞬でも神秘的なものを見られたらいいなと思っていたので、事故で見られないなんて不運すぎるなと思った。
 お母さんと妹が肩を落としていると、お父さんが、
「ちょっと楽しそうなところがあるみたいだよ。」
 となぜか自慢げに言った。
 
 虫しかいなかった。妹は少し怖がりながら歩いていた。道なりに十五分くらい歩くと、でかい砂山とすき通った海があった。
 砂山のふもとには「滑れます。」と書いてあり、看板があったのでソリを持ってくることにした。砂山はとても高くて頂上に登るまで五分くらいかかった。おまけに砂山は太陽に当たっていて、とても熱かった。ソリも持っていたので登りも熱さも倍増した。
 頂上についた。高すぎて足がふるえた。
 いざ滑ろうとすると、お父さんが砂山のふもとの方から
「ちゃんとひも持つんだぞ〜。」
 僕は返事を返すと砂山をすぐに滑りおり始めた。一回目はどんな感じか分からなかったので、お父さんの言う通りひもを持って滑ることにした。気持ちも落ち着いたのでレッツゴー。すごく怖かったのか、だんだん前のめりになっていて、砂山の中間地点で転んでしまった。二回目は、一回目のこともふまえ、ひもを持ちながら後ろに反って無心で滑ることにした。もう一回気持ちを落ち着かせてレッツゴー。勢いがつき始めたぐらいの時、風の音が聞こえた。久しぶりに聞いたのでとても気持ちよかった。最後の方は怖さは無くなって楽しくなっていた。十回程やると、お母さんが、
「そろそろ帰ろうっか。」
 と言って来た。僕は、
「あと一回お願い。」
 と言ってラスト一回を滑った。最後のは無心で滑った。滑り終わると、妹と一緒に
「楽しかった。」
 と言い合いながら車に向かった。少し驚いたこともあったけど、楽しい一日だった。

 車に戻ると妹はすぐにいすを倒して寝る体勢に入っていた。僕も、疲れたので、音楽を流しながら寝ることにした。その後は寝てしまい。ものすごく高い山に登って滑り下りたという夢を見た。僕と妹はいつまでもずっと滑り続けていた。




家族での日帰り旅行の様子を、気持ちの表現を意識しながら書いてくれました。
「肩を落とす」、「足がふるえる」など感情に合わせた仕草の描写を上手に使ったり、「はぁ、まだかな〜」、「ちゃんとひも持つんだぞ〜。」のように、妹さんの待ちきれない気持ちやお父さんが子ども達の安全を思う気持ちをセリフを使って表現したり、工夫が多く見られて好感が持てます。個人的には砂山滑りの二回目の部分で『勢いがつき始めたぐらいの時、風の音が聞こえた。』の部分が格好良いなぁと思います。一度目には気づけなかったことに、少し余裕のできた二度目には気づけているという、主人公の小さな気持ちの変化が書かれているのがすごく良いです。またこの日の楽しさが強く伝わってくる『僕と妹はいつまでもずっと滑り続けていた。』という夢の内容で終わったのも素敵でした。素晴らしい!

塾長


posted by 塾長 at 13:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
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プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。