2019年03月26日

初めての光景

YUYA(小5)

 「勝てるかなぁ。」「いやいや今まで勝ってきてるから大丈夫だ。」
 僕は心の中で僕自身と喋っている。
 今日は運動会当日。天気も良く、絶好の運動日和だった。
 僕は四年連続かけっこに勝っている。今年も勝つぞ!と気合いを入れてかけっこに臨んだ。
 そろそろ自分の番だ。ドキドキ心臓の音が奇妙なほどに聞こえてくる。
「バン。」
 ピストルの音が鳴った。僕は勢いよく走り出した。と思ったら、すべって少しスタートが遅れた。もうみんなはスタートしている。僕は焦った。
「やばい。やばい。」
 息をハーハーさせながらようやくテープが見えてきた。初めて相手の背中を見ながら走った。




2018年度の自分の三大ュースを挙げた後、そのうちのひとつについて、原稿一紙1枚程度にまとめるという課題に対して書かれた作文です。
簡潔にまとめられた作文ですが、短い中に工夫が見られて感心しました。例えば書き出しの場面では、不安だと書く代わりに自分自身との会話の内容を書き、さらには、緊張していると書く代わりに「どきどき心臓の音が奇妙なほどに聞こえてくる。」と書くなど、気持ちの表し方の工夫をしています。また最後の場面では、かけっこで負けてしまったことを「息をハーハーさせながらようやくテープが見えてきた。初めて相手の背中を見ながら走った。」と、自分が見た景色の描写だけで表現したことで、読んでいるこちらも同じ映像を思い浮かべながら、負けてしまった無念さを共有することができました。
短い文章ですが、随所に成長が感じられる作文でした。

塾長




posted by 塾長 at 23:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
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プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。