2019年05月30日

いつか絶対ぬかしてやる!

AMERI(小5)

「いちについてよーい。」
私の頭は一位になれるかという不安でいっぱいだ。一年生から三年生の時は自分よりも足が速い人がいなかった。だからあまり不安ではなかった。けど今年は自分よりも少し足が速い人が一レーンにいる。私はその人のことが気になって一レーンの方をちらっと見ようとした。でも実際には見る余裕は無かった。

 私は前を見た。
「バンッ。」
 私は後ろの足で地面をけっていきおいよく走り出した。
 私はまだ少し不安だった。でも走るのに集中していたから周りの人の声は全然聞こえなかった。自分の足音さえ聞こえなかった。
「あっ。」
 私の周りには誰もいないことに気づいた。私は今一位だ。私は少し不安じゃなくなった。だけど途中から一レーンの人が近づいてきているのを感じた。私はやばいと思った。だから腕を大きくふってさっきよりもスピードを出した。
 ゴールテープが見えてきた。でもだんだん一レーンの人が近よってきた。やばいもうすぐでぬかされそうだ。私はさっきよりも足を大きく開いて走ろうとした。でも抜かされてしまった。私は頑張ってまたその人をぬき返そうとした。私はゴールを見ながら、たまにその人のことを見た。
 まだ周りの音は聞こえなかった。私はゴールと一レーンの人のことしか考えてなかった。
 ゴールが近づいてきた。まぁ本当は自分が近づいているのだけど。なんて考えられないほど集中していた。
 やばいもうゴールだ。私は体を前の方にたおすようにゴールした。私とその人は、ほとんど同じタイミングでテープ(包帯)をきった。でもギリギリで負けてしまった。

 私は六年生の係りの人に二位の旗のところに連れて行かれた。私が一位の人を見ると、
「やばいマジで負けそうだった。」
 と言ってくれた。私はいつか絶対にその人のことをぬかしたいと思った。




 春の運動会シーズンとなりましたが、これは昨年の運動会のことを思い出しながら書いてくれたものです。
 実際に授業中に走る態勢になってみたり、実際に体を動かしたりしながら、丁寧に書いている様子が印象的でした。
 さて、徒競走というと長くても十数秒間程度のことなのですが、AMERIさんはスタート直前の心境から、ゴール直後までのことを細かく思い出しながら、原稿用紙二枚半程度の長さの作文にしてくれました。
 まずはスタート直前、結果のことを考えて不安になっている様子に共感できる方も多いでしょう。スタート直後からはすぐに走りに集中していくものの、そうした間にも実にいろんなことを考えていることがわかります。人間の脳は一瞬のうちに沢山のことを考えることができるものですね。不安、集中、期待と揺れ動く主人公の心情がよく描かれていました。惜しくも敗れた後も闘志が衰えないあたりに、悔しさとAMERIさんらしさが感じられました。短い時間を細分化することで、心の動きを詳しく描いた作文で、すぐそばでレースを見ているような気分になりました。

塾長





posted by 塾長 at 16:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
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プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。