2017年12月24日

プレゼントをありがとう

YUYA(小4)

サンタさんへ

 お元気ですか。今年もこの時期がやって来ましたね。今年もコーヒーを置いておくので飲んでください。できれば今年は希望のプレゼントをください。

 今年はニンテンドースイッチアームズというゲームソフトが欲しいです。なぜならそのゲームは楽しみながら体を動かせて、みんなでやれば運動不足の人もかいしょうできると思ったからです。
 
 ぼくのプレゼントの話は以上ですが、もう一つお願いがあります。それは障害者の方が不自由な部分をなおしてあげて欲しいということです。みんなが元気になって、たくさんの経験ができるからです。

 今年は好みのたのんだプレゼントをください。いつも来てくれて、ありがとうございます。




クリスマスシーズンということで、サンタクロースへの手紙を書いてもらいました。

プレゼントには自分の欲しいものをくださいという念押しが文章の始めと終わりに書かれているので、吹き出しそうになりました。その一方で、体に不自由な部分がある方のことを気にかけているというのは頼もしく感じます。前半のゲームソフトも運動に関することですし、体を自由に動かし運動できる楽しさ、ありがたさを実感する日々を送っているのでしょうか。今はまだ小4のYUYA君ですが、小5、小6になったら、どんなことを書くのか楽しみです。

塾長

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サンタさんへ

MANA(小6)

 毎年クリスマス・イブの日、私が寝た後リビングにプレゼントを置いていってくださり、ありがとうございます。

 私は今年、一眼レフのカメラのレンズと3DSソフトの「ガールズモード4〜スタースタイリスト」が欲しいです。なぜそれが欲しいのかというと、レンズはディズニーに行って、写真を撮りたいからで、DSのソフトの方は、元々3を持っていて、面白かった上に、CMを見て、そのCMだけがキラキラ輝いて見えたからです。私がこの二つをもらえたら、とても嬉しくなって大事にします。

 また、私の友達の願いも叶えて欲しいです。私の友達Mちゃんは、アイドルグループ「ジェネレーションズ」の白濱亜嵐君が大好きなので、亜嵐君にいつかは会わせてあげたいです。会わせてあげたら、きっとMちゃんは喜びすぎて気絶してしまうかもしれませんが、いつかは叶うようによろしくお願いします。

 これからもプレゼントを届けてください。お体に気をつけて。お父さん、お母さん。




クリスマスシーズンということでサンタクロースへの手紙を書いてもらいました。

欲しいものを2つも書いてサンタさんに甘えてるなぁと思ったら、最後にお父さん、お母さんの文字。この文章で一番言いたいことが『お体に気をつけて。お父さん、お母さん。』だとしたら、なかなか憎い演出です。
小6ともなると、サンタが誰なのかという論争を通り過ぎて、お父さん、お母さんに感謝したり、その健康を気遣ったりできるようになってくるのですね。

塾長

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子どもに、笑顔を

REO(小6)

 サンタさんへ
 今年も寒くなって来ましたね。サンタさん元気ですか?ぼくは元気です。

 いきなりですが、ぼくが欲しいのは「ニンテンドースイッチ」です。もしニンテンドースイッチがあったら、持っているみんなと遊べるし、友達とゲームの話で盛り上がり信頼関係が深まるからお願いです!ニンテンドースイッチをください。

 それからもう一つお願いがあります。ずうずうしいけど許してください。
 最後のお願いは、自分も加えた家族全員長生きできるようにしてください。家族との時間を少しでも長く過ごしたいからです。お願いします。

 というわけで、ぼくの願いは以上です。サンタさん、今年も子どもに笑顔を届けてください。これからもよろしくお願いします。




クリスマスシーズンということでサンタクロースへの手紙を書いてもらいました。

ゲームの話で盛り上がって友達との信頼関係が深まるかどかは知りませんが(笑)、欲しいものをアピールする必死さは伝わって来ておもしろかったです。その一方でさらっと書いたように見える、家族との時間を長く過ごしたいという願いに、ぐっときます。家族はそばに居るのが当たり前と思われがちですが、長い人生の中ではほんのひと時の幸せな時間なのかもしれませんね。そういう時間の大切さをどこかでもう気づき始めているのでしょうか。

塾長

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2017年12月23日

サンタさんへ

ANNA.N(小6)

 夜中に、わざわざおつかれさまです。きっと、外は寒いでしょうし、重たい荷物を運ぶのも、大変ですよね。ありがとうございます。
 今年、私はアミーボというフィギュアの、ファイアーエムブレムのキャラ、セリカと、ニンテンドーNFCリーダー/ライターが欲しいです。NFCリーダー/ライターは、アミーボが無いと使えないし、アミーボもNFCリーダー/ライターが無いと使えないので、片方だけ買わないように気をつけてくださいね。アミーボは、ただのフィギュアではありません、私の持っているゲームで使う事で、特別な女神の試練というステージに行けます。ずっと欲しかったので、もらったら大切に使うつもりです。

 もう一つお願いがあります。それは、弟に笑顔を届けて欲しいという事です。このところ、あまり笑うことのない弟に、サンタさんの力で笑顔を届けて欲しいんです。自分勝手だとは思いますが、どうかお願いします。
 まだまだ寒い日が続くとは思いますが、サンタさんもお体には気をつけて下さい。
 今年で小学校卒業なので、来年もサンタさんが来るかは分かりませんが、よろしくお願いします。




クリスマスシーズンということでサンタクロースへの手紙を書いてもらいました。

まるで業務連絡のように正確で冷静は前半、それとは対照的に、弟さんに笑顔をというなんとも心温かい後半。そのギャップの大きさに笑ったり、感心したりしながら、ANNAさんらしさがよく出ているなぁと感じた作文でした。なぜなら、情報を正しく伝えようとするのも、弟さんの話題が会話の中によく出て来るのも、いつものANNAさんなのです。短い文章の中にもANNAさんらしさが出ていて、面白い作文でした。

塾長

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犬をください

KOJIN(小6)

サンタさんへ。
 今年も寒くなってきましたね。サンタさんはお元気でしょうか。

 それでは本題を言います。今年のプレゼントの件です。ぼくの願いは親に犬を飼うことをゆるして欲しいということです。
 今年はなぜ物理的な物をたのまないのかというと、今まではたくさんサンタさんにプレゼントしてもらいましたが、今はもうお金を貯めて買うということを覚えたからです。でも犬はどうしようもないのでたのみました。また、友達の飼っている犬などを見て、かわいさを知ったので最近もっと欲しくなりました。
 飼えたら散歩をして自分の足が丈夫にもなるのでお願いします。

 また、家族全員が長生きできたり、病気などに強くなれるようにして欲しいです。また、みんなバラバラになっても幸せになれるようにしてください。




クリスマスシーズンということでサンタクロースへの手紙を書いてもらいました。

物理的なプレゼントは自分で買えるから必要ないとは!偉いなぁ。お金貯めて自分で買うことをおぼえたなんて。また、物ではない願い事をするあたり、精神的に大人になってきたのでしょうか。ちょっと大人びたお願いで興味深いです。

家族の幸せなんて祈られたら、サンタさんも叶えてあげたくなるでしょうね。

塾長

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夏にひまなサンタへ

YOSHIHITO(小5)

 夏にひまなサンタ、毎年お疲れ様です。ぼくへのプレゼントだけど、今年はサンタへのプレゼントをたのみます。サンタは冬しかプレゼントを配る仕事がないので、夏はひまだと思います。そこでサンタへのプレゼントは、サンタが夏の間ひましないような物にします。
 サンタは何を夏の間しているのか考えました。サンタにとって夏の間は夏休みのような感じだと思います。しかしサンタには夏の宿題がないので、ひまなんだと思います。
 そこでぼくがたのむ夏にひましない物は、例えばたくさんのゲームです。それをもらえばゲームをしている内に夏から冬になるのではないかと思います。そうすればひまな時はなくなると言うことです。だから、今年はサンタが夏にひましないものをたのみます。




え、自分へのプレゼントはなくて良いんですか!?代わりにサンタさんへのプレゼントとは。しかもサンタクロースの夏の過ごし方を想像した上でのリクエストとは!
いくら作文教室で書くサンタクロースへの手紙とはいえ、何もいらないと言うパターンは初めてかもしれません。子ども達はプレゼントを欲しがるものと決めてかかっていた、自分の油断をちょっと反省しました。
色々想像して、自分なりの発想で書いてくれたことが嬉しかったです。

塾長

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サンタクロース様

SHOTA(小5)
 
 毎年、毎年、お疲れ様です。
 ぼくが欲しいのは、アイフォン(スマホ)です。理由は、ゲームをできたり、友だちと通信したりできるからです。またYouTubeが見られたり音楽が聞けたりするからです。そして、ヤフーやグーグルで調べ学習などいっぱいできるからです。
 それから最近、震災にあった人たちにふとんなどをあげて下さい。



クリスマスシーズンということでサンタクロースへ手紙を書いてもらいました。

やっぱりスマホ人気ですね。確かにゲーム、通信、調べ物と一つあればできることは多く、道具としては魅力的なのでしょう。子どもの立場で考えれば、自分でできることが一気に増えて、世界が広がるようなワクワクがあるのかもしれません。もらった人の使い方次第で、良いプレゼントにも、そうでないものにもなるというのが、大人としてはちょっと難しさを感じるところです。昔と違ってプレゼントをあげたらおしまいではなく、あげてからの使い方まで見ていてあげないといけないのかもしれませんね。考えさせられます。
その一方で被災地の方には布団という、すごく直接的に役立つ、分かりやすいプレゼントを望むあたりも興味深い作文でした。

塾長

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2017年12月22日

サンタクロースへ

AOI(小5)

 毎年毎年、ここまでご苦労様です。今年は一段と寒いですね。サンタさんは体調崩していませんか。僕は骨折をしてすごく大変でした。

 さて、ここからが本題です。僕が今年、欲しい物は「なんじゃもんじゃゲーム」です。これはYouTubeで見て、面白そうだったのでたのむことにしました。また、この「なんじゃもんじゃゲーム」が欲しいもう一つの理由は、みんなと笑って、ずっと仲良くしていきたいからです。

 今年もプレゼントを届けてくれてありがとうございます。最初に書いたとおり今年は一段と寒いですから、サンタさんも体調に気を付けて、世界中にプレゼントを配って行って下さい。来年も楽しみにしています。



クリスマスシーズンということで、サンタクロースへの手紙を書いてもらいました。
幼い頃からタブレットやスマホを自由に操り、テレビよりもYouTubeを愛する子どもたちが多い昨今、何か大切なものが失われてはいないだろうかと心配になることも多いのですが、今回のAOI君の作文で「みんなと笑って、ずっと仲良くしていきたい」という素直で優しい願いを読むことができ、すごくほっとしました。結局、方法や道具が変わっても、子どもらしい根っこの部分は変わっていないことを感じられたからです。どうか世界中の子ども達が、みんなで笑って、仲良く過ごせるクリスマスでありますように。

塾長
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サンタさんへ

SUMIRE(小4)

 私がクリスマスにほしい物は、ミュージックプレイヤーです。理由は、私は音楽が好きで、歌がけっこう好きだからです。私が今はまっている歌は「打上花火」です。打上花火は、今年の8月ぐらいにやっていた映画の歌です。私は、今この歌のダンスを練習していますが、まだ少ししか練習していないので少ししかできません。でもミュージックプレイヤーがあったら、もっとダンスが上手くなるかもしれません。

 それから、私はこまっている人に何かしてあげたいと思います。だからサンタさん、みんなにスマホをあげて下さい。そうしたら、そのスマホを使って、私がみんなをたくさん笑わしてあげたいと思います。

 サンタさんにはクッキー三枚とココア二杯をあげたいと思います。そして「毎年ありがとうございます。」と一度言ってみたいです。




 クリスマスシーズンということで、サンタクロースへの手紙を書いてもらいました。
 自分が欲しいプレゼントについて、理由ともらえたらどうしたいかまで詳しく書くことができました。
 また、困っている人に何かしてあげたいことが、笑わすことという発想が素敵ですね。そんな小4の少女に直接『毎年ありがとうございます。』などと言われたら、サンタさんも嬉しいことでしょう。

塾長
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サンタへの手紙

REI(小6)
 今、私が欲しいのは”リファのコロコロ(ローラー)”です。最近ちょっと太った気がするので顔のむくみが簡単に取れるリファのローラーが欲しいです。
 個人的にはこれだけど、他にも届けてもらいたい物があります。困っている人に食料を届けて欲しいです。
 最近の世界では災害が多く発生しています。アメリカではハリケーンが襲ってきたり、イラクでは地震が襲ってきたりと、苦しんでいる人がたくさんいることと思います。せめて食べる物だけには困って欲しくないので、おいしいステーキとかおいしすぎるパンとか、栄養があって皆が健康になれるものをたくさん届けてください。よろしくお願いします。

 追伸 サンタさん、いつもお願い叶えてくれてありがとう!これからも世界中のみんなを笑顔にしちゃってください。




クリスマスシーズンということで、サンタクロースへの手紙を書いてもらいました。
クリスマスプレンゼントにお顔のローラーが欲しいとは!小6女子の心はもう半分大人なのですね。大人といえば、自分以外の誰かにプレゼントをと考えた時に、被災地の方へ『栄養があって皆が健康になれるもの』をという書き方も随分大人で感心しました。

塾長
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2017年12月20日

改めて考えたら

REO(小6)

「あれウサギの足跡じゃない?」
「いやあれはキツネの足跡だ!」
 ぼくたちは雪に残された足跡について言い合っている。今ぼくと友達は雪山の頂上までリフトに乗っている。
「タン。」
「サーーー。」
 とリフトから下りてきれいにすべった。
「競走だ。」
 と友達が言った。ぼくはうなずいて勝負に挑んだ。すべろうとすると近くにいた女の子が怖いよ怖いよと言っていた。だけどぼくにはそんな心はない。確かに頂上に行くと怖いと思う。だけど楽しいという気持ちだけあれば全然怖がらないで楽しくすべれる。
 ぼくたちは勝負を続けていたが一度止まった。なぜ止まったかと言うと、道が二つに分かれているからだ。一つはゆったりとしたコース、二つ目はすごく急斜面だ。ぼくたちは、いつもゆったりとしてコースだったけど
「急なコースで行こう!」
 ぼくは笑って言った。友達は少しなやんでいたけど
「いいよ。」
 と言った。ぼくは勢い良くすべった。
「うわっ!はやっ!」
 ぼくはスキー板を真っ直ぐににして直線に進んでいた。そうすると危ないので、ぼくはスキー板を右左とジグザグにすべった。そうしたら安全にすべれることを知っている。ぼくがジグザグにすべったのを見習って友達もジグザグにすべって安全にすべれた。
 ゴールが近づいてきた時に友達が追い上げてきた。自分も負けじとスピードを上げる。景色は直ぐに消えて行き、真横には友達の姿しか見えなかった。
 最後には一緒にゴールして引き分けになった。
 ぼくたちは今日初めて急な所をすべれたし、すごく良い戦いができたから、また一緒に戦いたい。
 改めて山を見るとすごく怖く見えた。だけどぼくは全コースを回った。楽しさがあったからここまで来れたと思う。




『だけど楽しいという気持ちだけあれば…』なんと素晴らしい!スキーを通してREO君が気づいたことは、彼の今後の人生のいろんな場面で生かされるのではないでしょうか。
楽しんでやる強さを味方にすれば、行くべき道の選択も、越えるべき困難も、軽々とクリアできるはずです。全編通して、彼のワクワクする気持ちが伝わってくる作文に、僕も幸せをもらいながらの添削でした。
『急なコースで行こう!』と笑って言うシーンも格好良かったです。

塾長


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2017年12月07日

あの頃の味

CHIKARA(高2)

 もう11月も後半。日に日に肌寒さが増し空気も冬っぽくなって来た。コートを羽織り、街を歩く人々は、ベンチに腰掛けた僕を羨ましそうに見つめていた。いや、僕が持っているおでんを見つめていたのだった。
 ふたを開けると、真っ白な湯気とともに、出汁のいい香りがふわっと漂ってきた。容器の中にはとても熱そうな大根が一切れプカプカと浮かんでいた。
 僕は急に懐かしい気持ちになった。小学生の頃、共働きの両親は帰りがいつも遅かったため、ほぼ毎日祖母の家へ遊びに行っていた。冬になると、祖母は、おやつの代わりによくおでんを出してくれた。出汁がよく染み込んだ熱々おでんはとてもおいしかった。
 おでんを食べるのは久しぶりだ。早く食べたくてしょうがない。大根を切ろうとすると、はしがスーッと入っていった。ホクホク熱々の大根は、あの頃と同じように、出汁がよく染み込んでいた。




寒い日に散歩をして、途中コンビニのおでんを一つだけ食べてみる、という課題に対して書かれた作文です。
日常のたわいもないワンシーンを、さりげなく、優しく、どこか懐かしい、素敵なワンシーンに変えてくれるCHIKARA君の文章力や話題の広げ方に感心しました。真っ白な湯気、出汁の香り、味、温度…こんな短い文章の中に五感をたっぷり使って書かれた文章からは、CHIKARA君の優しさや、豊かな感受性、彼の生い立ち、彼の持つ様々な要素が伝わってきます。おまけに「大根を切ろうとすると、はしがスーッと入っていった。」というように、おでんに対する繊細な描写も含まれ、彼の表現力の高さも感じられました。
読後、おでんを通して彼が書いてくれた、おばあさまの優しさや、その優しさをきちんと理解しながら成長した現在のCHIKARA君の人柄が、読んでいる僕の心に温かく染み込んできました。

塾長

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2017年12月02日

リレー作文「サンタクロースの仕事」

YUKI(中2)、OTO(中2)、RIO(中1)、RISA(小6)

(起)
 冷たいものが顔に当たった。
 雪だ。今日は十二月二十四日、クリスマスイブ。街の中心部はイルミネーションで飾り付けがされている。綺麗だ。その中を歩いて行った。

(承)
 「あ、ほどけてる。」
 いつのまにか靴のひもがほどけていた。ひもを結ぶために脇によける。
 しゃがんだ時、何か走るものが目に入った。
「なんだろう。」
 僕は、ほどけたひもを靴の中に入れて、追いかける。

(転)
 夢中で追いかけていると、サンタの服が置いてあった。なぜだか光を帯びている。いつの間にかしゃがんで手を伸ばしていた。触った瞬間にあったかい雰囲気を感じた。何があったんだろうと思い、周りを見渡すとトナカイと小人がいた。
「あなたが今年のサンタクロースさんです。これから色々な地域を回ってプレゼントを渡していってください。」
 といきなり試練を与えられてしまった。
「え…」
 と僕は立ち上がって、状況が理解できないまま立ち尽くしていた。

(結)
 「はっ。」
 気づくと、僕はソリに乗って、空を飛んでいた。
「え…どうやったらいいのかわからないよ、どうしよう。」
 と考えていると、いきなりソリが止まった。
「わっ、びっくりした。」
 下を見ると家の屋根が見えた。
「この家の子どもに、プレゼントを渡すのかなぁ、でも、どのプレゼントを渡せば…」
 と考えていると、一つのプレゼントが光った。試しに光ったプレゼントを屋根に向かって落としてみた。すると、プレゼントは、その家に入っていった。
「すごい、こういう仕組みなんだ。よし、頑張って、早く終わらせるぞ!」
 百個以上あったプレゼントを何とか、全て配り終えることができた。
「つかれた…」
 とつぶやいたら、前いた場所に戻っていた。
「あれ?さっきのは、全部夢だったのかな?」
 と思っていると、頭の中で、試練を出した人の声が聞こえた。
「おめでとうございます!あなたはサンタクロースの仕事を全てやり遂げることができました。ぜひ、来年もサンタクロースになってくださいね。」
 さっきのは、夢ではなかったと分かった。
「来年も、サンタの服を見つけたいな。」
 そうつぶやいて、イルミネーションを見ながら夜の街を歩いた。




4人の生徒が起承転結のそれぞれのパートを受け持ち、即興で物語をつないでいくリレー作文。それぞれのパートに与えられた時間は5分から15分程度という中で、うまく連携ができた作品でした。
(起)でクリスマスイブのイルミネーションの町並みを登場させ、それが(結)の最後の風景へと繋がり、(承)で主人公が何かを追いかけたからこそ、(転)でサンタクロースの服を見つける、という具合に伏線を用意する人とそれを活かして書く人が、それぞれの役割をバランスよくこなし、一つの物語としてまとまりが感じられます。
またサンタクロースが一般の人の中から選ばれるという設定も面白いアイディアですし、サンタクロースの仕事の進め方を描く際に、素人サンタでもちゃんと仕事ができる仕組みを考えて書いているのも見事でした。
全体を通して感じる、優しく夢のある世界観はクリスマスの物語としてふさわしく、これがほんの60分程度の時間に教室で生まれた物語だということを忘れてしまうほど、素敵な物語になったと思います。お見事でした。

塾長


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2017年11月25日

ふわっふわっ

YUYA(小4)

 町中のベンチで座り、コンビニで買ったおでんのふたを開けると、茶色のつゆの中にUFOのような白い物体があります。その名は、はんぺん。よーく見ていると、中華まんみたいに見えます。
 舌でふれると
「あちち。」
 という感じがしてかむとふわっふわっで湯気のふわっふわっという動きと重なっていました。
 はんぺんを三等分に分けて食べました。味のしみている所、しみていない所と色々ありました。はんぺんは味のしみている方が好きです。なぜならしみていない方にくらべて味が出ているからです。おでんのだしつゆもコクと深みがありました。
 寒い日に食べたはんぺんはあつあつで、ふわふわと天にも上りそうなおいしさでした。




とっても寒い日のお散歩に、おでんを食べて書いてみました。(具は一つだけですけど)
YUYA君は、寒いからこそ感じられる、その温かさや美味しさを、細かく丁寧に書いてくれました。
読んでいると、その時のはんぺんの美味しそうな映像が思い出されます。(ちなみに僕は見ているだけで食べておりません。)YUYA君の作文を読んでいたら、自分も食べればよかったなぁと、少し後悔してしまいました。それだけ、臨場感のある作文だということですね。
タイトルも、ふわふわでなく、ふわっふわっとしたのが良かったですね。YUYA君自身の楽しそうな様子が伝わります。
やはり気持ちが乗っている時の内容については、筆が進むようで、いつもより簡単に書き上げてくれました。楽しんで書くことの大切さも思い出させられ作文です。

塾長


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2017年10月12日

三つの赤

KOJIN(小6)

 階段を下りると通りに出た。通りには赤い看板があるのを見て思い出したことがあった。それは、今回の課題の、季節に合う赤のような色を見つけるというもので、歩いていると色々な赤があった。
 例えば、車や店の名前や信号の赤などがあった。けれどそれらはあまり季節に関係なく、探しているうちに公園についた。
 公園の赤はブランコでそのブランンコに乗った。少し高くこぐと木の葉が少し赤くなっているのに気がついた。これが季節に関係する一つ目の赤だった。
 公園を出て少し歩くと様々な店があり、どれも明るくにぎわっていそうな雰囲気を出していた。そんな風景が続いていると暗い駐車場を見つけた。その駐車場の前に一機の自動販売機を見つけた。どうせこんなものに季節の秋に関係する赤なんてないでしょと思い、横を通り過ぎるのと同時に自販機を見てみると、夏では「つめた〜い」なのに、もう三分の二は「あたたか〜い」に変わっていた。この自販機を見て、まるで冬に活動する前に衣替えなどをする人間のように感じた。また「あたたか〜い」の文字は赤で書かれていたため、これが二つ目の季節の赤だと思った。
 また少し進むと現代風のオシャレな店を見つけた。店のライトは一点に集中していて、そのライトの先にはハロウィンのものがあった。これが季節を感じる三つ目の赤だと思った。
 この三つの赤は今日でなくても今の季節でなくても見られることはあるかもしれない。けれど逆の発想であれば「この三つの赤を今日見ることができた」ということに価値があり、特別だと思う。




 KOJIN君本人に散歩の前に「秋といえば何色を連想する?」と尋ねたところ「赤」と答えてくれたので、今回の散歩では赤いもの、しかも季節を感じさせてくれる赤いものを三つ作文に含むというのが課題となりました。
 さて、見つけてくれた三つの赤の中で僕が特に感心したのは、自動販売機の「あたたか〜い」の文字です。他のクラスでも同じ課題で赤いものを探した生徒はたくさんいましたが、これは初めて出会う答えでした。しかもそこに、文字の色の変化だけでなく、夏の「つめた〜い」から秋冬の「あたたか〜い」という言葉としての変化も合わせて見つけてくれました。視覚的な色の変化と言葉による季節の変化という二つの変化をひとつの事柄に見つけて文章にしてくれたことに驚きました。さらに、その変化を人間の衣替えに例えるというのも斬新でした。
 今回はKOJIN君の観察力、気付きの力を感じられる作文で、僕もとても楽しませてもらいました。頭を使って書かれた文章は読んでいて楽しいものですね。

塾長

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2017年08月17日

期限付き

SHINOMI(中3)

 「ねえ、しのみ・・・。」
 きた。鬼が来た。
 ゴールデンウィークになって初めての部活。今日から五月六日の土曜日まで、午前中と午後の二部練習がある。最初の大会まで自分を追い込める日が、ゴールデンウィークしかない。よし頑張るという気持ちと、途中で体をこわしそうという不安がグチャグチャの状態で頭の中にある。そんな不安定な気持ちの時。

 「ねえ。しのみ。この前体育記録会の時、どうして百メートル走を二本もダッシュしたの?足を痛めている人が、どうして足を使う百メートル走を二本もとばしているの?周りからそういう声があった訳じゃないけど、なんだ、しのみ先輩普通に走れているじゃん、って思っている後輩や先輩も沢山いると思うよ。」
 とコーチに眉間にしわをよせた顔で言われた。びっくりしたというか、
「は?何だよお前。」
 という気持ちが顔に出た。確かに体育記録会の夜、足が筋肉痛になったのは事実だし、座っても寝ても足のしびれはおさまらず、夜寝られなかったのも事実だ。でも自分からコーチに、足のことを言えば、絶対に怒られて面倒なことになるとわかっていたから言わなかった。
「確かに、その日の夜に足がしびれて全然寝られなかったのはヤバイなと思いました。でもリレーまでに休み時間もあったし、自由に遊ぶ時間もあったので大丈夫だと思って走りました。ちゃんと自分で考えて走りました。」
 と言った。でもコーチには届いてなかった。
「考えたんだ。でもその考えはあさはかだったと思うよ。」
 否定された。自分の考えを否定された。怒りが腹の底から湧き上がってきた。でもなぜか言い返せない。言葉も出てこない。目力というもので反抗しようとした。もちろんいつものクセでコーチのことを「は?」っていう目で見ていたはずだ。でもいつの間にかストレッチマットが雫でビッチョビチョになっていた。泣いていたんだ。私の学年には『泣いたら負け』というわからないルール的なものができていた。だから頑張って涙をこらえようとした。でも無理だった。次から次へと涙が出てくる。ギュッとこらえると唇がプルプルして力をゆるめると滝のように涙が次から次へと出てくる。
「しのみの痛みは皆にだって私にだってわからない。でも足を使って何かをする時は人が誤解するような行動は慎まないとね。皆もしのみも気分が悪いでしょ?」
 毎回毎回これを言ってくるんだ。『私にはあなたの痛みがわからない』とか『自分で考えなさいよ。』とか『しのみは頑張ってる。』といきなりほめてきたりとか。とか。とか。うんざりする。心の中ではもう怒りが爆発しそうだった、でも涙のせいで、うなずくことしかできなかった。部Tシャツの襟元が涙でビッチョビチョで冷たくなっていた。

 なぜかその後は、
「今日はとにかく無理しないでね。」
 と言われ終わってしまった。今もまだモヤモヤが心の中にある。あの日味わったあの状態のまま。そのせいというかそのおかげでさらに重大なことを決意した。
「私は中三でベストが出なければ、やめる。次に入る部活はカルタ部にする。」
 もうカルタ部の友達には高一から入るからよろしく、と言っておいた。だからカルタ部には一応所属していることになっているはずだ。
 高校の三年間をむだにしないためにあと一年だけメンタルと体力をきたえていこうと思う。あと一年の間であの鬼を一度でも見返してやりたい。




 相手に向けられる怒りや苛立ちの表現は、主人公を一見とても強そうに見せます。しかし突然溢れる涙が、主人公の気持ちがそんな単純なものではないことを伝えてきます。強さと脆さが同居している思春期の張り詰めた感情に、読んでいてヒリヒリするような感覚を受けました。
 中三になったSHINOMIさんは、自分の気持ちに向き合い、それを言葉にする作業を丁寧にするようになりました。そこに書かれている感情は、決して楽しいものばかりではありませんが、今しか書けないものばかりです。こういった作文たちは後にSHINOMIさんにとって貴重な記録になると同時に、自分の感情を相手に伝えるための訓練になっていると思います。
 SHINOMIさんがいろいろな葛藤を乗り越えた後、穏やかで満たされた気持ちをその鍛えられた表現力で書く日が今から楽しみです。

塾長


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2017年08月15日

負けたくない!

YURIKA(中2)

 次の競技は、二年学年種目のいかだ流しだ。
 いかだ流しとは、馬とびの姿勢でずらーっと並んだ人の上を人が走る。もちろん上の人、船頭を支える人もいるが、とても危険な競技なのだ。

 私達の番は次なので、待機ゾーンに並ぶ。体育大会リーダーの私はクラスのみんなを並べて、座らせ、人数確認をした。並べるだけなのに驚くほど緊張する。私はこの中で一番緊張している自信がある。なぜなら、私はこのいかだ流しのキーパーソン、船頭なのだ。船頭は男女一人ずついる。男子の船頭の人も私と同じくらい緊張してるのかな。

 今競技中の一年生は、ハードル走をしている。もうすぐ終わってしまう。
「ああ、終わってほしくないな。」
 ふと、そう思ってしまった。
 失敗したら、落ちてしまったら、どうしよう。という気持ちでいっぱいだった。鼓動が早くなる。予行練習で私に勝った女の子、そして他にあと二人。どうしても一位をとりたい。

「次は二年生の学年種目、いかだ流しです。」
 色々考えているうちに、もう競技が始まってしまう。どうしよう、と不安に思う気持ちと緊張でめまいがした。
 一回戦は男子だ。予行練習で一位だったから、いけると思った。だけど、結果は二位だった。すごく焦った。なぜなら、一位だった男子は予行練習で一位だった女子がいる組なのだ。

 女子の番。みんなが並び直す。みんな、どんな気持ちなのかなと考えた。前にずらーっと並んだクラスメイトが成す馬が、いとおしく見えた。
「百合花頑張れー!」
 先輩たちの声が聞こえる。スタート地点で後ろを向いて笑おうと思った。だけど首が動かない。
「ヨーイ…。」
 支えの人の腕をにぎる。にぎり返してくれた。
「スタート!」
 周りから応援の声がする。とび石の上をとぶように走る。カーブ寸前で、落ちてしまった。
(どうしよう、どうしよう…。)
 と考えていたら、うまく馬に乗れない。まずい。隣のクラスの人の流れが早い。なんとか立ち直り、とにかく走る。多分今ビリだ。どうしよう…。そう思った途端、練習した時のことを思い出す。暑い中、たくさん練習して、先輩達からアドバイスをもらって、洗い立ての真っ白な体操服を茶色く汚してまでして、きっとみんな踏まれて痛い思いをしたのに。もう、何も考えず、ダッシュする。自分でも驚くスピードだった。走っても、走ってもゴールが見えない。長い。
(早く終わりたい…。)
最後の馬について、飛び降りる。
「キャーーーーーーー!」
 みんなが叫んだ。
 一位だった。嬉しくてたまらなった。みんなで抱き合い、この上なく喜んだ。温かい雫がほおを伝わった。



 勝ちたい気持ちと不安がせめぎ合う主人公の心模様がまっすぐに書かれていて、読んでいるこちらにも緊張が伝わってきます。中でも、声援に応えようと振り返って笑おうとしたのに緊張のあまり首が動かなかったり、仲間が手を握り返してくれたりと、気持ちと連動した動作やしぐさを書くことで、気持ちを表現しているのはとても上手でした。
 個人的に好きなのは「前にずらーっと並んだクラスメイトが成す馬が、いとおしく見えた。」の一文です。仲間を思う気持ちが伝わってきて、ぐっときます。
 また、競技直前から競技中そしてゴールまで、張り詰めた空気が続き、最後の最後にようやく気持ちが解放される様子には、僕自身がはるか昔にスポーツをやった時の空気を思い出させられました。スポーツで必死になれることは大人になるとめったにあることではなく、今しか書けない瞬間を作文に残せたのはとても良かったですね。直球勝負のタイトルも印象的でした。

塾長


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2017年07月29日

「マニュアル通り」

NOA(中2)

「いらっしゃいませ。」
 いつも聞く言葉でコンビニの店員が迎える。これでこの言葉を聞くのは何回目だろう?数え切れないほど聞いた気がする。
 店員は普段あまり見ていないが改めて見るとすごく無愛想に思える。
「四点で三九八円になりまーす。」
「新発売の唐揚げはいりませんかー?」
 マニュアルに書いてありそうなこと以外は何も口にしない。嫌そうな顔はしていないが、嬉しそうな顔もしない。
 最近思い始めてきた。多数の仕事の社員はロボットやAIなどと入れ替わると思う。どうせ店員が無愛想でマニュアル以外の方法でサービスしないなら、ロボットとか機械と入れ替えても問題ないのではないか?逆に効率が良くなる気がする。
 実際は、これが起きれば多数の人が仕事を失うけど。
「次のお客様どうぞー。」
 前の人が終わり、僕たちが呼ばれる。
「ピッピッピ。」
 持ってきた商品のバーコードを一つずつ機械で取っていく。真顔だ。
「三点で三百八十二円になります。」
 前の人と同じ対応だ。当たり前だろうけど。そのまま外に向かう。
 店員がマニュアル通りにしか動かないならAIか機械と入れ替わった方がいいと思う。




 『コンビニに買い物に行く際に、そこで働く方々の様子を観察する』という課題に対する作文です。
 僕の予想では、コンビニでテキパキと働く方々の忙しそうな様子が描かれると思っていたのですが、いきなり冷静な評価と合理性を求めるかのような文章に驚かされました。働く大人としてはなかなか耳が痛いところです。常に心と頭を働かせて、マニュアル以上のことをするというのは必要だとはわかっていても、実践できていない場合は多いのではないでしょうか。中学2年生のNOA君がまるで経済アナリストのような、あるいは経営者のような目で、厳しく働く大人を観察していることにはびっくりしました。
 ところで、作文を読ませてもらった後に、ではロボットではなく、人間が働く場合の良いところはないのか?と聞いてみたところ、店員さんがふと見せてくれる笑顔はやはり嬉しいとのこと。NOA君の中には合理性を求める心だけでなく、人の温かさに対する感情もきちんと育っていることがわかりました。
 それにしても今回の目線から、彼が将来経営者になった会社は業績を伸ばしそうだなぁ、などと一人想像して感心してしまいました。

by 塾長

posted by 塾長 at 12:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介

2017年07月27日

「カレーうどんが好き……だけど?」、「すぐそばの脅威」(2作連作)

HANA.Y(中2) 

「カレーうどんが好き……だけど?」

 私は汚れたものが嫌いだ。
 服についたシミなんてこの世で一番許せない。本の背表紙の部分が白く擦れてしまったり、ページが折れてしまったり何てことがあったら失神してしまう。
 だから、本には必ずカバーをつけるし、袋に入れたり、硬いケースの中に身動きがとれないようにわざわざ違う本を入れたりして、ケースの中にみっちみっちになるようにしている。
 ノートに気に入らない自分の字が並ぶのも嫌だ。そういう場合は、そのページを破りもう一度書き直す。なんで鉛筆で書かなかったのかと姉に言われ、ページを破る必要はないと最近、気づいたところである。

 私がいつからそんなに汚れが嫌いになったのかは分からない。いつの間にかというのが、一番最適な言葉だがいつからかと聞かれれば、確かそれは母のためだった。
 私には家族が多く、母の負担が多いことは小さい頃からわかっていた。私がシミを作ってしまっては、母の仕事をまた一つ増やしてしまうと思ったのだと思う。それから、初めて綺麗にシミを消したときの快感が今に繋がっているのだと思う。

 私はカレーうどんが好きだが、シミが嫌い。まさに対極の両方をバランスよくするために私はシミと戦う決意をした。
 家庭科の教科書を片っ端から読み、薬局ではシミ抜きのコーナーを見る。シミがあったら率先して取る!取る!そして、シミと互角に戦っているのだ。
 かくれんぼと同じだ。シミを一つ残らず見つけて最後の一つまで見つける。跡形もないように。

 今ではシミ抜きは私の得意種目。運動会の障害物があったら、余裕の一位、間違えなし。
友達に、なりたい職業はクリーニング屋か?と聞かれたことがある。私は、クリーニング屋は仕事であって、私はシミ抜きだけがしたいのだと答えた。友達の、私を不審な奴だというような目つきは、今でも忘れはしない
 そんな、服のシミが本になり、ノートになった。でも、これは誰しもが持っていなければいけない思いではないか?
 例えば気になっている人に偶然出会ったとき、コンビニに行くような部屋着でしかもシミが派手についていたり、白い服にシミがついていたりして、自分ではなくなりたりたいと思ったことはないか?
 そんなとき部屋着でも綺麗な部屋着で白い服が優雅に揺れていたら相手側は気分がいい。
 家に帰ってきて、部屋に入った時白くはげている本が陳列しているより、本屋で売っているような状態で美しいままの方が気分はいい。
 ノートはだるい授業できったない字が暇そうに並んでいるより、だるい授業だからこそ楽しみになるような美しい字が和気あいあいと並んでいる方が、気分がいい。
 姉がボロボロな本を持っていて、汚れていて嫌ではないのか?と聞いたことがある。
すると姉は澄ました顔をして
「汚れるっていうのも味があるってことじゃん。」
 チョコを使ったお菓子を作るというのに白い服を着て大量にチョコを飛ばすというのも味なのか?と問いかけたくなったが私は美しい状態が好きなのだ。
 私の今の課題はシミを抜いた後の毛羽立ちをどうするかである。



「すぐそばの脅威」

 私のシミ嫌いは筆箱にも及んだ。
 ある日、買ったばかりの可愛らしい筆箱の先に鉛筆の黒い跡がついているのを見た。取ろうと試みたがなかなか取れない。これは、まだ幼い頃の私の短い人生の屈辱的な経験だった。それはどんな筆箱でも同じで、最初は美しい状態でもだんだん黒い跡がつき、下の方に消しカスがたまっていくことが憂鬱になり見ているだけでも嫌で何度も筆箱を変えた。それが筆箱の運命なのだとあきらめていた。
 そんな時、友達の誕生日プレゼントを見ていた時だ。ホットドッグの形をした筆箱を見つけ、一目で気に入ったのですぐに購入した。帰って早速シャーペンを入れようとした時、ふと気づいた。これもいつか汚れてしまうのか?と。そのような事態は避けたかった。だから、私はその筆箱にキレイな柄のキッチンペーパーを入れ、シャーペンなどの筆記用具をそのキッチンペーパーにキレイに包んだ。最初は友達からキッチンペーパーがソースのように見えてかわいいと言われたがだんだんとボロボロになり始めた。それでは、鉛筆や色ペンからの脅威からは守れていないと思い断念した。キッチンペーパーをいちいち変えるという手間が増えただけだった。
 新たな転機が訪れたのはまた新しい筆箱になった時だ。誕生日プレゼントで姉がくれた動物の形をした筆箱だった。姉がわざわざ、北海道から取り寄せたものだった。以前のパターンで汚れから守ろうとキッチンを探すがキッチンペーパーが見当たらない。そこにちょうどあったハートの柄のついた袋を見て、その袋の中に入れることを思いついた。これが最善の策であった。
 今ではシャーペンは袋に入れ、ボールペンや色ペンはついてしまったとしても拭き取れる硬いビニールの筆箱に入れて、筆記用具の脅威から守っている
 最近、友達の筆箱にマーカーのインクのこぼれた跡を見つけた。とても見るに堪えない今日この頃である。





 この作文は、「何か自分の得意なこと、好きなことにこだわった話題を見つけて、自由に書く。」という課題に対するものです。てっきり、趣味や得意なスポーツなどについて書かれるものかと思っていたところ、良い意味で大きく予想を裏切る作文となりました。
 ここまで本人の強いこだわりや思いが書かれていれば、もう作文力を上げるための練習というよりは、エッセイとして楽しむことができます。授業でこの作文を読んだ他の生徒たちの間では、作文の書き方よりも、その内容に対する賛否両論が飛び交い、授業が終わってからも、汚れや整理整頓、はたまた人生感についてまで、長く会話が続きました。読む人たちの会話がそれほど盛り上がるというところにも、この文章の面白さがあらわれていると感じました。
 気取ることも、自分を飾ることもないストレートな思いを綴った文章は魅力的ですね。

by 塾長
posted by 塾長 at 12:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介

2017年03月11日

春だなと感じた時

MANA.Y(小5)

 外に出ると、自分にとっての春のにおいが感じられた。今日は、散歩に行ったのだが、立春をだいぶ過ぎた今日は、冬とは違う感じがした。
 まずは空を見てみた。東から西へ太陽が沈んでいた。青からオレンジのグラデーションになっていてとてもきれいだった。冬ならこの時間はもうとっくに沈んでいる太陽がまだ沈んでいなくて、そこに春だなと感じた。
 歩いていると自由が丘公園の前を通った。私が先生に
「グラデーションの様子を見たい。」
 と言ったので、
「五分だけね。」
 と言われた。私はブランコの方に行って、ずっと空を見ていた。最初、下の方はオレンジ色になっていたのだが、五分経つと青い方が多くてライトの白色がとても目立っていた。
 また、ブランコをこいでいる間、冷たい風が吹いて、少し寒かった。でも、春を感じるのは確かだった。
 歩いていても全然冷たい風が吹いてこなかったので、そこにも春だなと感じた。冬ならずっと冷たい風が吹いているが春はまれに風がふくだけで、そんなに寒く感じない。
 また薄着で来たので、そんなに寒くなくてよかったと思った。
 帰りにカリカリシュガーで少し高いやつを買ってもらえた。薄着で来てもそんなに寒くないし、勝手に今日の私はちょっとツイてるなと思った。
 話を戻すと、今日の散歩で冬から春への移り変わりと、冬と春の違いがわかった。また夏の初めに外に出たら春から夏への移り変わりや、春と夏の違いもわかるのかなと思った。




西の空に沈んでいく太陽の光と空の色の変化に注目して、それを楽しもうとする姿勢に、MANAさんの成長を感じます。また小さい季節の変化を見つけるのも上手く、さらには「ちょっとツイている」というポジティブで明るい調子が春のイメージを語る今回の作文に合っていて、材料の見つけ方も上手になっているように感じました。最後に夏の始まりに思いを馳せて作文を締めくくったのも、MANAさんが広い視点に立ってものごとを捉えていることが感じられてよかったです。夏の初めにMANAさんがどんなことを感じるのか今から楽しみになりました。

塾長


posted by 塾長 at 13:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作文紹介
プロフィール
名前:塾長
自由が丘で作文教室を運営。
小学生から高校生まで広い年齢層の子供たちとともに、書かされるのではなく、書きたくなる作文を目指して活動中。